ウチの子ども、背が小さくて…
試合や練習でも当たり負けしてしまうんです…
本人も身体が小さいことについて、少し悩んでいるようで…
そんなあなたのためにまとめました。
結論から言うと、「少年期に身体が小さいことは、サッカーにおいてメリットでしかない」です。なので心配する必要はありません。
まずは、私の自己紹介をしたいと思います。
・元プロサッカー選手
・日本サッカー協会公認
B級ライセンス保持
(A級取得見込み)
・プロサッカーコーチ7年目
・ソルデマーレ沖縄サッカースクールを経営者兼コーチ
・ソルデマーレ沖縄FC
クラブチーム総監督
・FC琉球U-12監督1年(2018)/現在はFC琉球U-15那覇の監督3年目
このような経験をしていきましたが、私も中学卒業時は155cmしかなく、高校入学時にも160cmもありませんでした。
その後、私も遅い成長期がきて、高校2年生から3年生にかけて、一気に身長が伸び、173cmまでのとなりました。
そんな私の経験や、現在子供たちを指導している経験を踏まえて、お伝えしていこうと思っています。
今回紹介する記事がこちらです。
- 少年期に身体が小さい方が、技術が上達する可能性が高い
- 小さい選手はトレーニングで何を意識したほうがいいのか?
- 身体が小さい子どもには「ポジティブな声かけ」をしてあげよう!
- 将来のために「身体を大きくする努力」も並行して行うこと!
この記事を読むことにより、
身体が小さくて悩んでいる子供や保護者の、心の不安を取り除け、これからのサッカーライフを楽しく過ごせるようになると思います。
少年サッカーの悩み「周りより身体が小さい」
少年サッカーで大きな壁となるのが「周りより自分の身体が小さい…」ということです。
小学生や中学生の頃は、生まれ月の差だけでも身長が大きく変わります。
3月生まれと4月生まれではほぼ一年の差があるので、体格差があっても仕方がないことですね。
よく私の指導している選手の保護者や、周りの保護者の声を聞いていても、「大きくて上手いよね」「うまいけど、小さくて弱いからすぐにボールを取られちゃうんだよね!」などという声が聞こえてきたりもします。
ただ私は「少年期に身体が小さいことは悪いことではない」と考えています。
試合で活躍できない子供を見るのはツライ…
とはいえ、大きい選手に当たり負けをしたり、すぐに抜かれてしまったり、ボールを取られてしまう我が子を見ているのはツライものですよね…。私も子供たちを指導していて、頑張っているのに小さいだけでボールを取られたり、抜かれてしまう選手を見ているとかなり辛かったですね!
でも私も含め、指導者は身体が小さい選手を「あまり悲観してはいません」。これは言い切れます。小さい選手ほどレベルアップの機会に恵まれているんです。
少年サッカーで身体が小さいのはチャンス!
大半の指導者は「少年期に身体が小さいのはチャンス」と捉えています。
なぜなら、小さい身体で大きな選手に立ち向かっていくことは「思考力を養うことに役立つ」からです。
考える力が身につく
よく小さい選手が「ドリブルで抜くためにはどうしたら良いですか?」と聞かれたりするのですが、「ドリブルで抜く必要ある?」「他に方法はないの?」と聞き返しています。
色んな方法がありますよね?
必ず自分より強くて、大きな相手に対して、真っ向勝負を挑む必要はありません。相手をかわせればいいんです。そして得点できればいいんです。かわせないなら味方を使えばいいし、得点を取りたいなら、ゴール前での動きを身につければいいんです。
私も実際かなり小さくて、いつも「どうやったら取られないかな?」「どうやって相手とぶつからないようにドリブルをしようか…?」「味方を使えばこの相手をかわせるかな…?」など、考える機会があったので、今考えればかなり貴重な時間だったなと思います。
ただの身体が大きい選手だと「とりあえず蹴って走れば勝てるから、そのまま行っちゃえ!」
「相手が怖がって避けるから競り勝つのも楽勝!」となってしまうんですね。なので、何も考えてプレーしなくても勝ててしまうというのがかなり問題です。
小学生や中学生で何も考えないままプレーしてしまうと、この差は技術の向上に大きく影響します。
私が知っている選手でも、中学入学時に170cm近い身長を持った選手がいました。彼は典型的な「蹴って走れば勝てるタイプ」の選手でした。同学年では一目おかれ、県の選抜なども選ばれていました!
でもやはり1年後、2年後には身長は止まり、他の選手たちと同じ身長になると、小学校年代でやっていたサッカーが通用せずに、並の選手になっています。逆に小さかった選手が成長期を迎え、身長が伸び始め、体格差などがなくなった時に、一気に飛躍します。
やはり「あまり考えずに蹴っていた選手」と「考えて戦っていた選手」では、1・2年後の伸びに大きな差が出ます。
サッカーの技術向上に大事なものは、自ら行動と改善を繰り返す「思考力」。たくさんの問題にぶち当たる、小さい選手は「思考力」を育てるチャンスに恵まれているんですね。ポジティブに捉えましょう。
ボールコントロールがうまいのは「小さかった」選手
現代のプロ選手でもボールコントロール(ドリブルやトラップなど)がうまい選手は小さい選手が多いですね。
例えば、リオネル・メッシ選手や中島翔哉選手、久保選手やイニエスタ選手なども挙げられます。特にメッシ選手は幼少期に成長ホルモンに異常があった選手です。
こんな選手たちは「どうやって大きい選手と対等に渡り合っていこうか?」と日々考えた結果、トップまでたどり着いています。
親に求められるのはポジティブな声かけと見守り!
身体が小さいお子さんがいる、お父さんお母さんにお願いしたいのが「ポジティブな声がけ」です。
「うまくなりたい!」と少しでも思っているお子さんであれば、おそらくお父さんお母さんよりも身長について悩んでいると思います。
そんなお子さんが「身長が低いから勝てないんだ…」と、ふさぎ込まないようにして上げて欲しいです。
例えばこんな声かけが有効です。
- 「どうやったら勝てるだろうね?いろんなことやってみようよ!」
- 「この選手小さいけど上手だよ!一緒に動画を見よう!」
- 「なんでこの選手は小さいけど活躍してるんだろうね?」etc…
こんな声をかけてあげて、お子さんの気づきや思考を促してあげてください。身体が小さいメリットを活かせるかどうか…それは保護者の関わり方も影響してきます。
ただ、保護者があまり声かけしすぎると、かえって子供は聞かないものです。少し前向きな声かけをした後は、長い目で見守ってあげるのもオススメです。
少年期に身体が小さいことは気にする必要なし!
ここまでの内容をまとめるとこんな感じ。ここまでのまとめ!
- 指導者から見ると「少年期に身体が小さいこと」はむしろメリット!
- 身体が小さい選手は「思考力」が身につきやすい
- 身体の小さなことを気にしない為には「保護者のポジティブな声かけと見守り」が重要!
- 少年期から身体が大きい選手は伸び悩む可能性あり
身体が小さいことのメリットを十分に生かして、お子さんのスキルアップにつなげてあげましょう。
では、身体の小さな子供は何を意識してトレーニングすればいいのか?次はトレーニング時に意識することをご紹介します。
小さい選手は相手にぶつからなければいい!!
小さい選手は、まずは相手にぶつからないように意識をして、トレーニングを心がけましょう!
大きい相手に対して、体をぶつけられると、かなりの確率で負けてしまいます。真っ向から勝負すると、かなりの確率で負けます。
私がそうでしたし、指導してきた子供たちもそうでした!
では何をすればいいのか?
ぶつからないようにするには3つのコツがあります。
- 相手の動きを見る
- 相手の視野から消える
- パスの出し手を見る
の3つがあります。
一つ目のコツは相手の動きを見ること。
相手の近くで止まってボールを受けていると、すぐに相手のプレッシャーを受けてしまいます。だから、ボールをもらう前に自分の近くに相手がいないかを確認して、相手が見えたときは距離を作って、パスをもらうことを心掛けます。 ただし、何メートルも遠くに行く必要はありません。2、3メートル移動するだけでいい。それだけで、相手との距離ができるので、プレッシャーが来るまでの時間を稼ぐことができて、その間に余裕を持って考えることができます。
二つ目のコツは相手の視野から消えること。
相手の視野から消える動きができれば、極端なことを言えば、相手との距離が1メートル以内でもパスを受けられるようになります。パスをもらおうとしている自分の近くに相手選手がいるとします。このとき、まともにパスをもらおうとすれば、ガツーンとぶつかられてしまう。でも、相手の背後に回って、いったん視野から消えてから、素早くボールを受ける動きをすれば、ぶつかられない距離で受けることができます。
三つ目のコツがパスの出し手を見ること。
せっかく相手の視野から消えても、その動き出しに味方が気付いていなければ、パスが出てくるタイミングが遅れて、マークにつかまってしまう。だから、味方が顔を上げていて、パスを出せる状態になっているときに、動き出すようにしましょう。 とても奥が深いけれど、これができるようになれば、どんなに狭いスペースでも、どんなに大柄な相手がいても、ボールを受けられるようになるはずです。 「ぶつからない技術」は身体が小さい選手だけと思いがちですが、サッカー選手にとってこのタイミングやパスの受け方を意識するだけで、たくさんボールを受けられ、活躍するチャンスが格段に増えます。
低身長の子は、自分の強みを身につけよう!
とはいえ歳を重ねるごとに、低身長だと活躍する舞台が少なくなってきます。しかし、Jリーグクラブや世界で活躍する低身長の選手はなぜ活躍できているのでしょうか?
例えば、横浜Fマリノスの仲川選手や名古屋グランパスの相馬選手。引退しましたが、佐藤寿人選手も低身長で活躍しました。久保選手もあまり大きい選手ではないですが活躍しています。
それはなぜか?
自分の特徴を磨く
仲川選手はかなり足が速いのが特徴で、それを生かしてゴールを量産しています。
私が試合を観ていると、仲川選手は上記で記載したコツを意識していると思います。足を生かすために、味方の出せるタイミングや相手の背後をとる動きなどを、かなり試合中、意識した動きをしています。
そういう動きで代表的なのが、佐藤寿人選手。小さいですが、ボールをもらうための動くタイミングが抜群にうまいことや、もらう前にかなり周りを見ながら、敵や味方のポジションを確認しているので、いいポジションでボールがもらえ、得点を量産しました。
また相馬選手や久保選手、海外ではメッシ選手などは、体幹が強く、ボディーバランスが良いため、大きな選手に当たられても倒れませんし、テクニックや状況判断がかなり優れています。
特に久保選手なんかは、パスを出すのか、ドリブルをするのか、シュートを打つのかわからないようなボールの持ち方をするので、かなり対戦相手は迷ってしまいます。なので低身長の子は、常に意識して、トレーニングを行うことが重要になってくると思います。
そういった自分の特徴は何なのか?自分は何が得意なのか?というのを普段のトレーニングから意識してトレーニングすると、試合で自分がやるべきことが見えてくるかと思います。
身体を大きくする努力も並行しよう!
とはいえ、低身長だと年齢が上がるごとに、不利な部分も出てきます。なので、トレーニングと共に、身体を大きくする努力も一緒に行うことも試してみましょう。
私自身も、「もっと身長があればな」と何度もそう思う事もありました。さらに長い期間活躍できる選手になるためにも、カラダ作りは幼少期からしっかり取り組む必要があります。
たとえプロにならずとも、活躍できるサッカースキルは一生の財産です。
将来、仕事で辛かった時でも、週末に仲間と一緒にサッカーをして、サッカーで活躍できるスキルがあれば、必要以上にふさぎ込まずに済みます。
せっかくサッカーをやっているのですから、お子さんの将来につなげてあげましょう。
食事をしっかり摂る
ど定番ですが、カラダづくりにおいて食事は大事です。少年期の食事で大事にして欲しい点は2つ。
- 「栄養バランス」
- 「食習慣の定着」
少年期の食事ではカルシウムやタンパク質多めの、カラダ作りを意識した食事を心がけましょう。ケガ予防にもつながります。
またトレーニング後の1時間以内に食事を取るようにしましょう。子供のエネルギー補給と疲労回復には、かなりオススメです。
そして栄養バランスと同じか、それ以上に大事なのが「食習慣の定着」です。
あなたのお子さんは「自分で」食べるものを選べますか?
あなたのお子さんは、一生お父さんお母さんから食べるものを与えてもらう訳ではありません(当然ですが)。いつか食べるものを「全て自分で選ぶ」時がきます。
その時、あなたのお子さんはバランスの良い食事を選べますか?将来、バランスの良い食事を自然と選べるようになるために“大事なポイント”があります。
それは「あ、そういえば小さいころに、お母さんが栄養バランスを考えていてくれてたな…」と言う記憶です。
この記憶があると「裏切れないな」と言う気持ちが働いて、大人になってもある程度バランスの良い食事を選ぶようになります。
しっかり「栄養バランスを考えている姿勢を見せる」こと。それが「食習慣の定着」には大事です。
最近では、ファストフードやコンビニ飯など簡単に食べられる食事がありますが、体に良いとは言えません。このような食習慣をしていると、大人になっても抜けずに、そういう偏った食生活になってしまうので、注意しましょう。
大切な食習慣とは
下記に、アスリートのバランスの良い食事をのっけておきます。かなり理想に近く、保護者の方もめちゃくちゃ大変なのも理解していますので、参考程度に眺めてみるといいと思います。
①主食(体を動かすエネルギー源)主に炭水化物:ご飯・パン・麺・もち
②主菜(筋肉、骨、血液など人の体を作る)主にたんぱく質:肉類・魚介類・卵・大豆製品
③副菜(体調を整えたり、骨や血液の材料となる)主にビタミン、ミネラル:野菜・芋・海藻・きのこ
④牛乳・乳製品(骨をつくるのに欠かせない)主にカルシウム、たんぱく質:牛乳・ヨーグルト・チーズ
⑤果物(疲労回復、コンディショニングに役立つ)ビタミンC、炭水化物
難しければ栄養補助食品を!
サッカーはエネルギー消費の大きいスポーツです。普段の食事だけでは、栄養素がエネルギーとして消費されてしまい、カラダ作りまで回らないことがあります。
しかし、エネルギーを回そうと、上記のようなご飯を毎日、毎食作っていては、お父さんお母さんの負担も大変ですし、食費もかなりかかってしまいます。
なので、普段の食事プラスアルファをを取り入れるのもオススメです。
そのためには栄養補助食品を併用することもありです。オススメはこちら。
子供用のプロテインで、タンパク質や骨の成長に重要なカルシウム・マグネシウム・ビタミンDをたっぷり配合されているので、オススメです。
こちらも子供用プロテインですが、砂糖や人工甘味料無添加の商品なので、かなりオススメです。
低身長の子にはこちらもオススメです!
サッカースキルは一生の財産
記事内でも述べましたが「サッカースキルは一生の財産」です。一芸に秀でることは、その子の自己肯定感を高めます。
お子さんがサッカーを上手くなって、より人生を楽しめるように多方面からフォローしてあげましょう。ここまでのまとめ!
- 年齢が上がると身長の低さはハンデになってしまう…
- 身体を大きくする努力も練習と並行していこう!
- まずは食事が一番大事!特に「食習慣の定着」を意識
- 「食習慣の定着」のためには「栄養バランスを考える姿勢」を見せて行くこと!
- 効率よく栄養バランスを整えるなら補助食品の活用もあり!
まとめ
以上になります。
最後まで読み進めてくれて、ありがとうございます。
お子様が身体が小さいことで悩んでいるのなら、身体が小さいことは気にする必要ないということがお分かりいただけたのではないでしょうか?
小学生・中学生の間は、むしろ技術の上達のためにはメリットしかないです。
ただし、かなり身体が小さいことで、負けることも多々あるでしょう!
そこで、保護者の「ポジティブな声かけ」「長期的な見守り」「食習慣の定着」を意識しながらお子さんをサポートしてくれることで、子供たちも安心して、競技に取り組めます!
身体が小さいということで、競技が嫌いになり、やめてしまうのはもったいないです。メリットと捉え、前向きにチャレンジし続けることで、将来は明るくなりますよ!
では、また!